カメラマンとして思う、“今”を撮る意味
最近では、スタジオ撮影よりも出張撮影がメインになってきました。
ご家族の写真はもちろんのこと、友達や恋人と写真を撮る機会が増えた今、
僕が感じるのは、「日常のなかの大切な瞬間を、ちゃんと記録したい」という想いの広がりです。
小さかったあの頃。楽しかったあの日。
「撮っておけばよかったな」と思い返すような記憶は、きっと誰の中にもあると思います。
皆さんにも、「撮影しておけばよかった」と感じた瞬間がたくさんあるのではないでしょうか?
・生まれてからわずかしかない、新生児の時期
・泣き顔、ハイハイしていた頃、歩き始めたあの瞬間
・小学校に入学して、初めてランドセルを背負ったあの朝
・お父さんに肩車してもらっていた夏祭りの帰り道
・・パパとママに挟まれて、くすぐられて笑っていたあの一瞬
・おじいちゃん、おばあちゃんと過ごした穏やかな午後
カメラは、その一瞬を鮮明に、ドラマチックに、そして永遠に残すことができます。

以前、テレビで紹介されていたデータによると、
「生涯で親子が一緒に過ごせる時間」は、想像以上に短いのだそうです。
母親:約7年6か月
父親:約3年4か月
人間の平均寿命が約80年とされている中で、この数字を見て、
「短すぎる」と感じた方も多いのではないでしょうか。
お子さんと過ごせる時間の多くは、実は幼少期にすでに終わっているのです。
・保育園に入ると、過ごせる時間の18%が終了
・小学校入学時点で、32%が経過
・小学校卒業時には、55%が過ぎ
・高校卒業時、18歳で親元を離れるときには、なんと73%が終わっている
子どもの成長は本当にあっという間です。
そして、それと同時に「一緒にいられる時間」も、確実に少なくなっていきます。
だからこそ、
「今しかない瞬間」を、大切に過ごしてほしいと思います。
たくさん話して、たくさん笑って、たくさん出かけて、
何でもない今日が、未来の宝物になります。
そんな限られた時間の中で、私たちにできることは、
「かけがえのない今」を、ただ大切に抱きしめることかもしれません。
そして、その今を、未来に残す手段のひとつが、“写真”だと僕は思っています。
〜 僕の想い 〜
写真の力を感じるのは、撮ったその日ではありません。
何年も経ったあと、ふとした瞬間にその一枚を見返したとき…
その中にある笑顔に、心が動いたり、涙がこぼれたりする瞬間です。
それが、「写真」という“時間を閉じ込める魔法”だと、僕は思っています。
僕は、そんな瞬間に寄り添えるカメラマンでありたい。
これからも、大切な「人生の一部」を、一枚の写真として残していきたいと思います。
